いろいろあるって若いんだもん。取り戻せるって若いんだもん。 [ソウル・キッチン]

2009年 ドイツ

あらすじ

 廃線となった線路の脇に建つ駅(か倉庫?)をリノベーションしたレストラン「ソウル・キッチン」。オーナーのギリシャ系ドイツ人のジノス・カザンザキスは、ようやく手に入れたレストランを繁盛させるために精力的に働いていた。しかし料理の腕前は素人同然で、冷凍食品を調理したものがほとんどだった。

 ジノスの恋人ナディーンは特派員として上海に引っ越すことになっていた。レストランで彼女の送別会をやっている最中に、シェフのシェインがクレーマー客に怒って包丁をテーブルに突き立てジノスの目の前でクビになった。ジノスは短気が玉にきずだがシェインの腕を買ってソウル・キッチンにスカウトした。

 翌日。経営がまだまだ厳しい中でシェインをスカウトしたばかりなのに、ジノスは刑務所から仮出所してきた兄イリアスに、仮出所できる日を増やしたいから雇ったことにしてほしいと頼まれた。ジノスは仕方なく応じた。塀の外に出る口実が欲しかっただけのイリアスに働く気など毛頭無く、店に仲間を連れてきてはたむろするようになってしまった。

 災難は続いた。ジノスは壊れた食洗機を運び出そうとしてぎっくり腰になってしまった。しかし、保険に入っていないため病院に行けないジノスは、ナディーンから紹介してもらった理学療養士のアンナを頼ることにした。

 ソウル・キッチンにシェインがやってきた。しかしシェインの作る料理は高級すぎて常連客には受け入れられず、店は閑古鳥が鳴くようになってしまった

 ぎっくり腰に加え、兄は役立たず、シェインのせいで店はガラガラ、ナディーンとの長距離恋愛もうまくいかない、とトラブル続きで落ち込むジノスの元へ、かつて同級生で今は不動産業をやっているトーマスがやってきて、ソウル・キッチン(の物件)を売ってくれと頼まれた。ジノスが断るがトーマスは諦めなかった。

 一度は客足が途絶えたが、やがてシェインの料理を求めて新たな客がやってくるようになり、ソウル・キッチンはたちまち繁盛店になった。

 店の繁盛を喜ぶジノスだったが、彼の目下の最重要課題は、店よりもナディーンとの関係を終わらせないことだった。悩んだ末にジノスはイリアスに店の権利を譲ってナディーンのいる上海に行くことにした。しかし時既に遅し。ナディーンの気持ちはジノスから離れてしまっていた。

 悪いことは続いた。トーマスの陰謀にまんまと乗せられてしまい、イリアスはソウル・キッチンを奪われてしまった。

 結局、ジノスはナディーンもソウル・キッチンも失ってしまった。残ったのはぎっくり腰だけだった。そのぎっくり腰も悪化してしまい、救急搬送された病院で医師から手術をしないと不随になると宣告された。困り果てたジノスはアンナのところへ救いを求めた。ジノスの悲惨な運命は好転するのだろうか……。

クリックするとラストが表示されます(ネタバレ注意!)
 ぎっくり腰は整体師の厳しい施術で回復した。
 店を失ったジノスは市場でフォークリフト運転手として働き始めた。落ち込む彼のところへナディーンから復縁したいと連絡があった。
 日を置かず、店を奪ったトーマスが脱税の罪で逮捕されてしまった。放置され廃墟同然となってしまった店が競売にかけられることを知ったジノスは、ナディーンに頼み込んで金を借り競売会場に向かった。ちょっとした幸運もありジノスは無事店を買い戻した。そして再び営業を再開した。

感想

 古い建物に食材を運び込み、厨房でテンポよく料理をする。最初のシーンから惹きつけられます。

 レストラン経営を成功させるという夢の実現のために頑張るジノスは、若者ならではのエネルギーに満ちていて思わず応援したくなります。

 よくあるパターンでは、起承転結の「承」でとことん落ち込んだ店が、「転」でひょんなきっかけから好転して繁盛店になって、「結」でハッピーエンドとなるところですが、この作品では繁盛した後に「転」が訪れるというワンテンポ外しとなっている点がなかなか独創的です。

 ストーリーはご都合主義ですが、それが計算ずくでなく勢いで精力的に活動するジノス「らしさ」にマッチしているのでポジティブに感じました。テンポがよくエンドロールも工夫されていて、制作陣が楽しんで作ったんだろうなと感じさせる良作です。

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