あなたの感性が試される、心象風景で綴られるロードムービー。 [RADIO ON]

1979年 イギリス、西ドイツ

コンテンツ

あらすじ

車の中で兄から送られてきた封筒を開く男。

中にはクラフトワークのテープと「誕生日おめでとう」と書かれたカードが入っていた。

母から電話があり、兄が風呂場で死んでいるのを発見されたと知らされた。男は車に乗り込み、兄が住んでいたブリストルまで向かった。

長旅の途中で、休暇中の軍人が勝手に車に乗り込んできたり、音楽好きな若者と出会ったりとそれなりのできごとがあった。

兄が住んでいた部屋は、実は女が借りていた部屋だった。男は女に兄の死の状況を尋ねますが、女は答えなかった。

結局何も分からずじまいだった。男はエンストして動かなくなった車を乗り捨て、電車に乗って街を去るのだった。

感想

 DVDジャケットにヴィム・ベンダースPRESENTSとあるけれど、共同プロディーサーだっただけのようで監督作品ではありませんのでご注意を。

 難易度が高いロードムービーですね。露出アンダー気味のモノクロ映像の描写はさながら心象風景のようで印象的です。

 ストーリーは平板で、人物描写も殆ど無く、散文詩のようでした。一応、鑑賞しながら撮ったメモを掲載しておきます(少し乱文ですがご容赦ください)。

クリックするとメモが表示されます(ネタバレ注意!)
私達は、フリッツ・ラングとフォン・ブラウンの子供で20年代と80年代をつなぐパイプでもある。
という張り紙。

車の中で封筒を開く男。中にはクラフトワークのテープと、誕生日おめでとう兄よりと書かれた紙が。
家に帰る男。部屋では女性がテレビを見ていた。
「行くよ」という男。不満そうながら「行けばいい」という女。

ラジオブースでリクエストされた曲と違う曲を流す男。

その放送が流れている工場。

男はラジオブースで物思いに耽る。

車でゲームセンターに行く男。

家に帰ると男の母から電話が。
風呂で死んだとの連絡。
ブリストルに向かうという男。

バスタブに浸かる男。
眠る男。

トランクを持って部屋下が出ていく女。

散髪に行く男。流行らないかなと言いつつ、短く切る。

音楽を背景にひたすら車で走り続ける男。

ジュークボックスで音楽をかけ飲み物を飲む男。

車に戻ると別の男が横Bに座っている。

車の中で男Bが身の上話を始める。軍隊に4年いたが、それは学校を退学になり仕事のあてもなかったから。それまではロンドンで男娼をしていた。その後は働いたボタン工場で軍隊のことを聞いて志願した。
アイルランドには?と聞かれ、男Bはベルファストに4ヶ月2回。
突然憤りだす男B。
男Bは死体を見たことがあるかと尋ねる。
2度めの駐軍中に男を連行した、連行中に逃走されて追いかけた。ロバートが取り押さえるが、銃撃戦が始まり、ロバートは右顔を負傷した。

いつ戻る?と聞かれた男Bは来月だ。しかし帰らない。オレはスコットランド人だ、政府のために命を捨ててたまるかと。
どうする?と聞かれ、ひたすら前を向いて進むだけだと
男Bは突然車を停めろと言う。そして小便に行く。
その間に逃げる男。

小休止をとって、再び出発しようとするがエンジンが掛からない。
修理業者に来てもらい、ようやく治る。

ガソリンスタンドによる男。
中には誰もいない。
キャッシャーに入っていた1枚の札をポケットに入れる男。

裏の敷地のキャンピングカーの中で、ギターを弾く男が。
彼が好きなエディーというミュージシャンの話をする男。
地元でバンドを組んで、有名になろうと思っていると話す。
そして、ようやく本題に入る。
「ガソリンない?」

給油を終えると、出発する。

目的地に到着する男。
誰もいない部屋を探索する。
そこへ女が来て、誰だと尋ねる。
男は弟だと答える。
女はここは自分の部屋だという。
片付けるものはないか尋ねると、女は無いと答える。

女は兄の死に感傷的ではない様子で、愛想がなかった。

街でホットドッグを食べる男。
音楽を聞ける店を教えてほしい若い男に尋ねて、プラットフォーム1というディスコを教えてもらう。

店の前まで来るが入れないまま車に乗り込む男。
道端ではドイツ人の女が2人話している。
英語はしゃべれないらしいが、男に電車はないか尋ねてみることにしたようだ。
男が2人の女性を送ることにした。

ホテルに到着すると男も部屋まで誘われた。
女Aは男性不信らしい。
女Bは子供を夫に取られ、会えないと打ち明ける。
子供の居場所の手がかりを得るために夫の叔母の家に行くという。

再び兄の住処に戻る男。
部屋には誰もいない。

スライドを再生する男。

翌朝、女に当時の状況尋ねる男。
女は答えたがらない。

街でコーヒーを飲んでいると女Bが現れ、何をしに街に来たのかと尋ねる。
兄のことを調べに来たがどちらでも良いと答える男。
女Bと一緒に車で走る。

女Bの夫の叔母の家。
夫とは昨日会って、ホテルを教えた。だけど、女Bに娘(アリス)を渡すわけにはいかない、ずっと放っておいたのだからと。
女Bは、言葉が通じないイギリスでは仕事ができないから仕方がないと。ドイツで育てたいという女Bに、叔母はアリスはドイツ語も話せないし、イギリスでの生活に馴染んでいると説得する。

叔母の家を出た女Bは、進展はなかったが、夫が連絡をとってくるはずだと言う。

イギリス人は海が好きなのねという女Bに、山が多いからねと答える男。
昨日一緒に寝るのかと思ったという女B。

海辺のクラシックカーが展示されている建物で車を見る男。女Bが入ってくる。
子供は残念だったなと慰める男に、女は見つけるから大丈夫と答える。

男を乗せて車を運転する女B。(誰の車かはわからない)

兄の住処で眠る男。その近くで女が映画を観ている。
目覚めた男が音は?と尋ねると、寝てたから小さくした。どうせ無声映画だからと答える女。

女が眠っている間に男は部屋を出る。

バーで他人がビリヤードをやっているのを見ながら酒を飲む男。
男の体にキューが当たった女が怒って男のスツールを蹴り倒す。
特に抵抗しない男。

洗車機で車を洗車する男。

酒を飲みながら舗装されていない道を走り続ける。

崖っぷちに車を停めて酒を飲む男。エンジンをかけようとするがかからない。
クランクを回すしかないが、車の前は崖になっていて行けない。
車を押して後退させようとするが、前に下っていてできない。
兄から送られてきたクラフトワークのテープを再生して車から立ち去る男。

海辺まで歩く。
そして駅までたどり着くと、電車に乗り込む。

 これを見ても「何これ?」って感じだと思いますが、実際こんな感じです。実際に車でドライブしても大抵何も起こらないので、そういった点ではリアルと言えますが、そんな日常を切り取って映画にする必要があるのかと思う人には向かない作品ですね(私もそのくち)。

 車のボンネットの水滴やジュークボックスのディテール、そういったものが琴線に触れるハイセンスな人にはいいかも知れませんが、多くの人々には退屈に映るんじゃないかなと思いました。「前衛」という言葉を聞くと脳内物質が溢れる方におすすめします。

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