それで君たち、これからどうするの? [リトル・グローリー 〜小さな栄光〜]

2012年 ベルギー、アメリカ

あらすじ

 19歳のショーンの生活は荒んでいた。母親が亡くなり、家族は飲んだくれの建設作業員の父親と小さな妹のジェリーだけだった。父親からはいつも定職についていないことをなじられていた。ある日、父親が酒に酔ったまま住宅工事現場で作業をしていて墜落し、あっけなく死んでしまった。

 父親は生命保険をかけていたが、受取人は自分ではなくジェリーだった。どこまでも自分に冷たい父親に憤りを感じながらも、収入源もなく先立つものがなかった彼にとって保険金は魅力的だった。彼の中では、その金はジェリーのものではなく自分のものだった。葬式のとき、叔母がジェリーを引き取ると言い出した。ショーンは自分が養うと主張したが、ジェリーの将来を案じた叔母は裁判所に自分に養育権を認めるよう訴えた。法廷で裁判官はショーンにジェリーを養育するための生活基盤があることを証明するよう求めた。与えられた期限はたったの1ヶ月だった。

 ショーンにジェリーをきちんと養育しなければならないという責任感はなかった。自由気ままに生きたいというのが彼の本心で、恋人や仲間との楽しくやるのにジェリーは邪魔な存在だった。おまけに、保険金も父親が酒に酔っていたことが原因で支払われないことがわかり、余計ジェリーが疎ましくなった。

 しかし兄妹の時間を過ごすうちに、ショーンはジェリーが自分に残されたたった1人の肉親であることに気づき愛情を感じ始めた。そして、それ故に仕事もなく生活がままならない自分にジェリーを育てる資格がないこと痛感した。裁判の日、ショーンは自ら叔母が養育権に持つことを認めた。

 裁判所を出て、ショーンは叔母の元に引き取られていくジェリーを複雑な思いで見送った。

クリックするとラストが表示されます(ネタバレ注意!)
 その夜、ジェリーはベットを抜け出し、叔母の家から出ていってしまう。叔母はそれに気づいたが、あえて後を追わずショーンに電話をかけた。電話を受けたショーンは車を走らせジェリーを探した。そして2人は再会した。

感想

 ショーンは、見るからにまだ精神的に成熟していない不完全な大人です。だから、妹を受取人になっている生命保険金目当てに、幼い妹の面倒は自分がみるなどと、まともに考えれば到底不可能なことを口角泡を飛ばして主張したりします。周囲の人からすれば、そんな兄の元で不自由を強いられているジュリーに同情を禁じ得ないと思います。

 ショーンは妹と時間を共有するうちに肉親の情のようなものが芽生え、改心しなければならないと薄っすら感じ始めます。そんな彼の成長を描きたかったのだろうと思いますが、たった1ヶ月間しか経っていない上に、覚悟を決めるような特別な出来事が起きるわけでもないので、彼の本気度が推し量れませんでした。故に「頑張れよ」とエールを送りたくなるような気分にもなれず、不完全燃焼というのが正直なところです。ジェリーのために彼にとって大切な何かを諦めるとか、そういったエピソードがあれば良かったのだと思いますけど、それほどドラマティックな展開を製作者が志向しなかったということなのかも知れません。

 私はそんなふうに斜に構えて観てしまいましたが、勢いあるときを生きている若い人たちからすれば、全然ありなのかも知れません。

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