俺は飼い犬じゃない。ナメんじゃねぇ。 [処刑人ソガの凄まじい人生]

2009年 ドミニカ共和国

あらすじ

 ドミニカ共和国は、アメリカから強制送還された犯罪者たちによって蝕まれていた。ルイシトは将軍直属の処刑人として、将軍から渡されるリストにある人物の処刑を請け負っていた。彼は処刑人ソガと呼ばれ、人々から恐れられていた。彼の父親は屠畜を生業にしていたが、幼い頃の彼は動物がかわいそうで屠殺ができずに父親に叱られるような心優しい少年だった。

 そんな彼に転機が訪れた。父親がギャングのラファと口論になり目の前で銃殺されてしまったのだ。彼は父を殺めたラファを許さなかった。彼はいつかそのラファをこの手で葬る日がくることを願いながら、将軍の僕(しもべ)として冷酷な処刑人としての任務を遂行していた。しかしいつまで経ってもアメリカに逃亡したラファがドミニカに強制送還されることはなかった。

 彼には幼い頃の甘い思い出があった。それは夏の間だけ彼の近所の親戚の家に滞在していたジェニーに対して抱いたほのかな恋心だった。処刑人としての殺伐とした生活でそんな思いはすっかり失っていたが、ある日思いがけず久しぶりに親戚の家を訪れていたジェニーと再会を果たした。長い空白をものともせず、二人の関係は急速に深まっていった。それとともにルイシトは、自分のしていることへの虚しさを感じるようになった。

 そんなルイシトの元へ、ラファがアメリカで逮捕されドミニカに強制送還されるという知らせが舞い込んできた。空港から出てきたラファを追うと、その行き先は意外にも将軍のオフィスだった。ラファはアメリカで将軍の手先としてドミニカ産の麻薬を売っていたのだ。権力を悪用し私欲を貪る将軍の正体を知り、自分もその道具として使われていたことを知ったルイシトは、ジャーナリストに将軍の不正を暴く証拠を渡そうとするが、あえなく逮捕されてしまった。ルイシトの運命は……。

クリックするとラストが表示されます(ネタバレ注意!)
 収監されているルイシトのところへ刑務官が迎えに来た。彼の目の前のテレビではルイシトの証拠が決め手となって明るみに出た将軍の犯行が報じられていた。
 刑務官に連れられて刑務所の中庭に出ると、そこには銃を持った男たちがいた。そこへ大使館からの使いでやってきた女性が彼に歩み寄り、新たなパスポートを手渡した。処刑人ソガではなく新たな身分を与えられたのだ。そのまま釈放されるとそこにはジェニーが待っていた。

感想

  一部で実話ベースと言われていますが、本当のところはよくわかりませんでした。

 邦題が強烈ですが内容はカルト映画という訳ではなく、ハードボイルド仕立てのまともな作品となっています。原題が「ソガ」でインパクトが足りないと思ったのでしょうが観客をミスリードする邦題はいただけません。

 ルイシトは犯罪者やその家族達の恨みを買っていると思われますが、なぜかバラックのような生家で襲われることもなく寝起きしています。非現実的ですが、作品の色を出すために必要な設定だと好意的に解釈することにしました。

 ルイシトが復讐を誓うラファは、かつては極悪非道な人物だったようですが、ドミニカに送還されてきたときには打って変わって子煩悩な一人の父親になっていました。結局ルイシトとの手に汗を握る闘いが繰り広げられることもなく将軍の手によって葬られてしまい、ストーリーとしては盛り上がりに欠けるような気もしました。しかし、実話に基づく以上、ルイシトを犯罪者にするわけにもいかなかったのかもしれません(本当のところはどうだったのでしょうか)。

 カタルシスは復讐ではなく、愛によってもたらされるものと観客に語りかけるように終わるこの作品は、本作が実話に基づくというエピソード(それも真偽不明ですが)を知らずに観ると、やや消化不良を感じるかもしれませんね。

 さて、本作はドミニカ共和国で製作されています。あまり馴染みのない国ですが、面積が九州よりやや広い島国で人口は約1千万人とのことです。野球が人気でメジャーリーグなどで活躍する選手も多いそうです(この辺りは聞いたことありますね)。物価は日本と同程度かやや高いくらいということで、平均年収が約40万円らしいので生活はきつそうですし、貧乏旅行にもあまり向かない国ですね。

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