フィクションだけど日本だったら叩かれそう [ゲット・アウト]

2017年 アメリカ

あらすじ

 カメラマンの(黒人の)クリスは(白人の)恋人ローズの両親に会うため、彼女の実家を訪問した。

 クリスは娘の恋人が黒人であることをローズの両親が受け入れてくれるのか不安を隠せなかった。ローズの実家に到着すると、黒人の使用人がいることに気づきクリスの不安はさらに高まった。ローズの父親ディーンは外科医、母親ミッシィは精神科医、そしてローズの弟ジェレミも外科医と典型的な裕福な白人一家であるローズの家族とクリスとの晩餐はぎこちなさを残したまま終わった。

 居心地の悪い時間はさらに続いた。翌日はローズ家の慣習である親戚や友人一同を招待してのホームパーティーだった。白人だらけの場に居づらくなったクリスがカメラを片手に散策していると、招待客の中に一人だけ老女の付き人のように振る舞っているディーンという名の黒人がいることに気づいた。ディーンに既視感を覚えたクリスがその姿をカメラに収めようとしたところ、突然鼻血を出したディーンに激しく詰られた。

 いたたまれなくなったクリスは家に帰りたいとローズに打ち明けた。ローズも理解を示し、二人は予定を繰り上げて翌日帰宅することにした。その夜、クリスが友人のロッドにディーンの写真を送って見覚えがないか尋ねると、すぐにロッドから「近所に住んでいたアンドレだ」と返答があった。アンドレが別人のようになっていたことからクリスは激しく不安になり、今すぐ帰ろうとローズを急かして階下に降りると、そこにはローズの家族が待ち構えていた。

 次に意識を取り戻したとき、クリスは部屋の中で独りソファに拘束されていた。状況を飲み込めないクリスの目の前に置かれたテレビに突然映像が流れた。それは身の毛もよだつような恐ろしい映像だった。ローズの祖父は頑強な黒人の身体に自分の脳を移植することによって、肉体的衰弱による死から逃れる手術法を編み出していたのだ。そして何を隠そう使用人だと思っていた黒人は実はその祖父本人だった。次は自分が誰かのために命を奪われる危機にさらされていることをクリスは悟った。

 この危機的状況から脱出しようとするクリスとそれを阻止しようとするローズ家の戦いが始まった。さて、クリスは無事に生還することができるのだろうか。

感想

 人種差別というデリケートなテーマを奔放に取り入れた異色作です。社会的にデリケートなテーマを扱うとフィクションでも叩かれる日本では作れないと思いました(同調圧力というのでしょうか。だから全体的につまらないと思うのは私だけ?)。

 キービジュアルや事前情報がなければ、途中までサスペンスだということに気づきにくいようにうまく構成されています。そしてやはり人種の違いというのは、理念や論理で片付くほど単純ではなく、直感的な異質性を克服するための強い理性が必要なのだと思いました。まあこの点は白人と黒人だけでなく、白人と私達黄色人種も同じですが。

内容としては、少しウィッカーマンに似ているかも知れません。こちらもなかなか刺激的な結末でした。最近「ミッドサマー」というウィッカーマンに着想を得た作品も公開されたようですが、こちらは観ていないのでわかりません。

ちなみにこの作品にはもう一つの結末があります(DVD特典)。私はこちらのラストの方が現実的という点でも、伏線回収という点でもベターだと思ったのですが、最終的にはエンターテイメント性を重視したのだと思いました。ぜひ、アナザーエンディングも確かめてみてください。

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