この女性、多分相当のXXX [モリーズ・ゲーム]

2017年 アメリカ

あらすじ

 心理学者の父に厳しく育てられたモリー・ブルームは、北米3位のモーグルの選手でありながら、コロラド大学を首席で卒業するという才女に育った。しかし、オリンピックの代表選考会で不運に見舞われ選手生命を絶たれてしまった。この時からモリーの人生が狂い始めた。

 大会の後、1年間休養をとってからロースクールへ入学するつもりだったモリーは、ロスアンジェルスの友人宅に身を寄せた。そして生活費を稼ぐためにバーで働き始めたが、そこで知り合ったディーンという名の投資家のアシスタントにスカウトされた。ディーンの商売の一つが金持ちの有名人が客のポーカークラブだった。モリーは羽振りのいい客達からのチップでたちまち裕福になり、味をしめた。

 まもなくモリーはディーンの客を横取りして、自分でポーカークラブを始めた。クラブは順調に利益を伸ばしていったが、有力な客と対立した結果、一瞬にして常連客を全て失ってしまった。

 失意のモリーは拠点をニューヨークに移した。そこでプレイガール達に声をかけ、裕福な著名人を集めることに成功した。しかし、モリーは少々目立ち過ぎてしまい、ロシアンマフィアに目をつけられてしまった。選択の余地なくマフィアと付き合わされる羽目になったモリーに、マフィアをマークしていたFBIの捜査の手が及ぶのは時間の問題だった。

 逮捕されたモリーは、あちこちで断られた末にようやくチャーリー・ジャフィーに弁護を引き受けてもらった。チャーリーは彼女に、客の名前を明かすか、当時のPCのデータのバックアップを提出することを材料に取引することを勧めたが、モリーは「自分の名前を守るため」に頑なに拒否した。

 このままではモリーは有罪となり懲役に服することは確実だった。裁判所でモリーに対して下された判決は……。

クリックするとラストが表示されます(ネタバレ注意!)
 裁判に挑むモリーは、潔く有罪を認めた。
判決を言い渡す前に裁判官は検事補を呼び出した。その後下された判決は200時間の社会奉仕と少額の罰金の支払と望外の軽い罰だった。

感想・コメント

 実話ベースの作品です。モリー・ブルームという女性の自叙伝をベースとしています。ちなみに彼女は現在も実業家?としてご活躍中で、結婚、出産もし幸せな日々を送っているようです。

 本作は素直に観ると、

① 一生懸命努力して成功を掴みかけていた女性が、

② ちょっとした過ちから、身に覚えのない組織犯罪の容疑者に仕立てられて、

③ 検察の強引な捜査により人生をめちゃくちゃにされたけれど、

④ 自分の信念を貫き無罪を勝ち取った

という美談なのですが、私の解釈はほぼ正反対で、

① 一生懸命努力して成功を掴みかけていた女性が、(←ここも少し怪しいですが、とりあえず)

② 富と社会的ステータスを築くためにマフィアとも関係を持つという綱渡りをした結果、

③ 案の定逮捕されたが、弁護士をそそのかして自分が無罪になるよう弁護させ、

④ 奇跡的に(実質)無罪を勝ち取った

という話だと思いました。

 なぜなら、自分のポーカークラブに出入りしている客にロシアンマフィアが紛れ込んでいたことに全然気づかなかったなんて言い訳、全然信用できないからです。また、当時のPCのデータのバックアップ(そこには携帯メールのバックアップも入っている)を検察に提出することを頑なに拒むモリーに、弁護士がその理由を尋ねますが、その返答が「自分の名前を守るため」とは全く意味不明です。実際には、マフィアとのメールのやり取りなどが入っていて、捜査機関にそれが渡ったことが明るみに出て、マフィアに命を狙われることを恐れたというところでしょう。

 モリーの強心臓ぶりには感心します。この映画もセルフプロディースの宣材の一つにすぎないのでしょう。そんな作品を観てしまい、時間を無駄にしてしまいました。

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