こんなに潔く白々しいコメディ滅多にない(笑) [俺たちは天使じゃない]
1989年 アメリカ
あらすじ
1935年の話。
カナダとの国境近くの刑務所に収監されているネッドとジムは、死刑囚のボビーの脱走劇に巻き込まれ、なりゆきで一緒に脱獄することになった。ボビーとはぐれながらも、奇跡的に脱走に成功したネッドとジムは国境付近の町に身を潜め、検問を超えてカナダへ逃亡を図ることにしたが、バレるのが怖くてなかなか実行できなかった。
町人の疑惑を逃れるために適当に言い訳をしているうちに、二人はその町の修道院を訪れることになっていた著名な神父と勘違いされ、修道院に手厚く招かれた。しかし、もともと二人は信仰心などない罪人。その場その場を誤魔化してなんとかやり過ごした。
やがて、刑務所から捜索隊がやってきた。このまままごまごしていると捕まるのは時間の問題だった。焦っていた二人は、ちょうど修道院がカナダにある別の修道院まで行進する行事があることを知り、その機会に乗じて国境を越えることにした。
しかし、行進出発前にトラブルが続出。二人の計画の成功はもはや風前の灯。さて、その結末は…。
感想
ロバート・デ・ニーロ、ショーン・ペン、デミ・ムーアと豪華な出演者が揃った作品です。
信仰心などない囚人が、宗教専門書も執筆するくらいの著名な神父のフリをすること自体が非現実的ですが、コメディですから、それくらいの白々しさはむしろ潔く思えます。劇中で、専門書の裏表紙にある本物の神父の写真を示されて「随分違いますね」と問われたネッドが「ダイエットしたのさ」と答えるシーンがありますが、全く説得力がなく、敢えて地雷を踏みに行っているとしか思えません。
観る前から大体想像できると思いますが、この作品はそれぞれが幸せを見つけていくというハートフルな結末で終わります。「よかった、よかった」と拍手した?すっかり作者の術中にはまっていますよ。何しろ、二人は元々脱獄囚なのですから。
1935年ごろの小さな町ののんびりとした雰囲気を味わえる作品です。
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