名声は人生の目的ではない、結果なのだ [二ツ星の料理人]
2015年 アメリカ
あらすじ
才能あふれるシェフアダムは、皆の期待を裏切りパリのレストランを去った。彼は自身に誓った禊を終えると3年ぶりにロンドンに現れ、3つ星をとれるレストランを作りたいとかつての仲間を誘った。
ワンマンで強引に厨房を仕切るアダムの元へ、ミシュランの調査員がやってきたとの知らせが入った。アダムは調査員のために自ら料理するが、仲間の裏切りで失敗しまった。横暴なやり方が恨みを買っていたのだ。
アダムは自暴自棄になった。しかし、徐々に自信過剰からくる利己主義の呪縛から解放され、周囲にいる人々に支えられていたこその自分であることに気づいた。さらに先日の客はミシュランの調査員ではなかったとの知らせも入った。
アダムは再び厨房に戻った。心を入れ替えたアダムは以前のような横暴な態度はやめ、厨房の皆を信頼し敬意を払うようになった。
しばらくして、今度は正真正銘のミシュランの調査員がやってきた。その報告を受けたアダムは以前とは打って変わって「いつものようにやるだけさ」といつものように粛々と料理を用意するのだった。
さて、その結果は……。
感想
よくあるサクセスものかと思ったけれど、いい意味で期待を裏切られました。あらすじはかなり大雑把で、実際にはリースというライバルもいて、彼の存在がアダムに大きな影響を与えています。ライバルといっても、リースの方が全然大人で、料理に対しても名声目的ではなく求道的な姿勢で取り組んでいるので、それと比べるとアダムはただの子供って感じですね。まあ、才能に対して謙虚なリースと才能に酔って溺れてしまうアダムのどちらがドラマになるかといえばアダムの方ですけどね。
絞りを開放してピントを細かく変更するカメラワークは少しやりすぎかなと思いました。あんまりそういう実験的な試みをする作品ではないと思うので。映画館で観るほどではありませんが、自宅で鑑賞する価値はあります。
主演のブラッドリー・クーパーは、「ハング・オーバー」シリーズで有名になった俳優です。後に製作した「アリー/ スター誕生」が最も成功した作品ということになっているようですが、個人的には「ハング・オーバー」が最高だと思ってます(本人は不本意かも)。
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