頑張って生きてきたけど、振り返ってみたら足踏みしていただけ。それが人生? [T2トレインスポッティング]
2017年 イギリス
あらすじ
レントンが、仲間とともにヤクを売り捌いて手に入れた大金を独り持ち去って行方をくらませてから20年後の話。
ダニー(スパッツ)は一時は更生し家族も持つが、再びヘロインに手を出し全てを失った(彼の弁によればサマータイムになったことに気づかなかった結果、あらゆる約束に1時間遅刻したことが原因)
サイモンは流行らないパブを経営する傍ら、ブルガリア人のベロニカと組んで美人局をして小金を稼いでいた。
そして凶暴で危険な男ベグビーは受刑中の刑務所から脱獄した。
母親の葬式のためにレントンがアムステルダムから帰国したことをきっかけに、4人の時間が20年ぶりに動き出した。
ダニー、サイモンそしてベグビーは金を持ち逃げしたレントンを今なお恨んでいた。
ダニーはままならない人生に絶望し自宅で自殺しようとしていたところを、たまたま訪問してきたレントンに阻止された。ダニーはレントンに悪態をついたものの、すぐに昔の友情が蘇った。
レントンはサイモンに会うためパブに行った。レントンのアムステルダムでの成功話にムカついたサイモンは、彼と組んだフリをして、ベロニカと一緒に始めようとしていたサウナ(風俗店)の開業資金を騙し取ろうと企んだ。
サイモンが持ちかけた儲け話に最初は乗り気でなかったレントンだったが、彼自身離婚とリストラで投げやりな気分だったこともあり、サイモンと組むことにした。
2人は昔のようにつるんで窃盗をし、大金を手にした。そして昔話に花を咲かせ、若き日のように盛り上がった。
そしてサウナ開業のためのパブの改装工事も始まった。
そんな中、レントンは一番会いたくなかったベグビーとクラブで鉢合わせした。キレたベグビーはレントンを追い回した。なんとか難を逃れたレントンだったが、ベグビーはベロニカから奪い取った携帯電話からメッセージを送って、レントンとサイモンを改装中のパブに呼び出した。
ダニーがレントン達にベグミーの罠だと警告するためパブに駆けつけたが、ときすでに遅し。その背後からベグビーが現れた。追い詰められるレントン達の運命は…
感想
4人とも20年間にそれぞれの人生を歩んだものの、気づけばほとんど前に進んでおらず、ずっと同じ場所で足踏みしているだけでした。昔と違うのは、すでに人生の終盤に差し掛かっていて、そこから抜け出す時間も力も残されていないという事実です。そして、あのときヘロインにハマらなければ、もっとまともな人生を送ることができたはずなのにと悔やみながら、またヘロインをやって、残りの人生も無駄にしてしまう。ヘロインではないにしても、誰しもが多かれ少なかれ同じような思考パターンに陥りがちです。
短いようで長い人生、残されていないようで意外と残されている時間。過ぎたことを悔やまずに、今からでも、今更でも、取り組んでみることが大切なのでしょうね。
私はそのようなことを考えましたが、この作品は別にそういった主張を表現したものではありません。第1作と同じく、スコットランドのヘロインジャンキー達の日常を描いた、ポップな雰囲気のコメディーです。観賞前に第1作を観ておかないと楽しめませんので、是非そちらからご覧ください。
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