2016年 イギリス・カナダ・アメリカ
9歳の少年ルイ・ドラッグスは原因不明の事故で8回も死にかけた”事故多発少年”だった。
最初の事故は出産の時。
2回目は生後16週間後。天井のシーリングライトが落ちてきた。
その後も様々な事故が。食中毒になることも年中だった。
母のナタリーは「猫には9回人生がある。あなたが猫ならもう8回使っている、もう使わないで」とルイを抱きしめた。
そして両親と9歳の誕生日を祝うために海辺の渓谷にピクニックに行ったときに崖から転落してしまい昏睡状態に陥ってしまった。それがルイの9回目の人生の始まりだった。その日はルイの誕生日を祝うために、別居中の夫のピーターも一緒にピクニックに来ていたが、事故後消息をくらませたことから、ピーターに容疑がかけられた。
小児昏睡の専門医であるパスカルがルイを担当することになった。パスカルは、愛する我が子の不運を嘆くナタリーを慰めているうちに、いつしか彼女の美貌に心を奪われ、越えてはいけない一線を越えてしまった。
容疑者のピーターの消息を追っていた警察は、事故現場付近の洞窟内で彼の死体を発見した。つまりルイの事故はピーターの仕業ではなかったのだ。パスカルは真相を明らかにするには、ルイから聞き出すしかないと考えた。彼は以前ルイを診察していた精神科医ペレーズに協力してもらい、催眠状態の自分を媒介して、ルイから真相を聞き出してもらうことにした。パスカルを通じてルイが語り始めた真実は衝撃的なものであった。
よい意味でジャンル分けしにくい作品です。ルイが主役だと思って観ていると、最後に実はナタリーの話なのだということが分かります。ルイは彼女の物語の可哀想な脇役だったです。そしてラストの瞬間に、彼はようやく自分が主役の人生を歩み始めます。彼は多分、ナタリーと離れて生きる方が幸せになれるでしょう。しかし、彼がそれを選ぶのかは分かりません。親子の絆とは損得だけでは割り切れないものですから。
ちょっと変わった映画を観たい方には特にお勧めです。
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