大怪我するかどうかではない、いつするかだ! [プレミアムラッシュ]

2012年 アメリカ

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あらすじ

(ここでいう”バイク”は自転車のことです。日本語のバイクは英語ではモーターサイクルです。)

 ニューヨークには1800人のバイクメッセンジャー(自転車配達人)がいる。彼らにとって歩行者は脅威でタクシーは敵。頑張って働いても稼ぎはせいぜい1日80ドル。法学部大学生のワイリーもその1人だった。彼にとってバイクメッセンジャーの仕事は、一時のモラトリアムといったところだった。

 恋人のバネッサとはうまくいっていなかった。そのバネッサを同僚のマニが狙っていた。マニはワイリーへのライバル意識を隠さなかった。

 ある日の夕方、ワイリーは会社から指名の仕事が入ったと言われ、自分が通う大学へ向かった。依頼主は同級生でバネッサのルームメイトのニマだった。彼女は中華街のシスターチェンという人物に届けてほしいとワイリーに1通の封筒を手渡した。

 早速出発しようとするワイリーにアッカーマンと名乗る男が声をかけてきた。ワイリーはアッカーマンに封筒を渡すよう要求されたが、反骨精神旺盛な彼は当然アッカーマンの要求に応じるつもりはなく、隙をついてペダルを踏み込んだ。余裕で振り切ったと思ったのも束の間、背後から猛スピードでアッカーマンが車で追いかけてきた。バイクと車の危険な追いかけっこが始まった。

 何とか振り切ったワイリーが警察署に駆け込むと、そこへアッカーマンが入ってきた。そして彼は警官達と親しそうに話し始めた。彼の本名はマンデーでニューヨーク市警の刑事だったのだ。

 実はマンデーは中華街でのギャンブルにのめり込み、チャイニーズマフィアにかなりの借金を抱えていた。その借金をチャラにする代わりに、ある女性~それがニマだった~の封筒を奪って持ってくるよう要求されていたのだ。

 執拗に追われ身の危険を感じたワイリーはニマから預かった封筒を開けてみた。すると中に入っていたのは、1枚のいたずら書きされたレシートだった。意味がわからないワイリーは、それが麻薬がらみだと考え、大学へ戻るとニマに差し戻した。

 しかしそれは麻薬がらみの依頼ではなかった。ニマが故郷の中国に残してきた子供を米国に密入国させようとしていて、シスターチェンはそれを請け負う地下組織の人間だった。そしてニマがワイリーに手渡した1片のレシートは、地下組織でしか通用しない小切手だったのだ。

 ニマから真実を聞いて、ワイリーは改めて配達を引き受けようとするが、ニマの机の上に置いたはずの封筒が忽然と消えていた。会社に問い合わせると、依頼主からの指示で別の場所に配達中とのことだった。配達人はよりによってマニ、そして依頼主のふりをして手を回していたのはマンデーだった。

 さて、ワイリーはマニの手からニマの封筒を取り返し、マンデーの追跡をかわしてシスターチェンに届けることができるのだろうか。

感想

 車の間隙を縫って車道を激走するバイクメッセンジャーは、それだけで危険と隣り合わせの仕事ですが、ワイリーが乗っているのはシングルギアのブレーキなしのいわゆるピストバイクと呼ばれるもので、特に危険な種類のバイクです。だから自殺願望があると周囲から揶揄されても仕方がありません。

 カーチェイスシーンは映画によくありますが、バイクと車のそれ(カーチェイスとは言わないんだろうな)はあまりありません。お分かりのようにバイクはすごく不安定な乗り物なので、とてもスリリングで見応えがありました。もちろん、自分が車を運転している時にこんなバイクが目の前に現れたらかなりムカつくでしょうが。

 ストーリーは勧善懲悪で登場人物も少ないので飲み込みやすいです。出しゃばりすぎないストーリーに迫力あるアクションシーンが上手く絡み合っていて楽しめる娯楽作です。

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Basco