1995年 アメリカ
米陸軍伝染病研究所の職員サムは、元同僚で今は上官のビリーからザイールのとある村で発生したLEVEL4の伝染性出血熱の調査を命じられた。現地に急行したサムのチームは壊滅的な惨状を目の当たりにする。モターバと名付けられたそのウイルスはエボラやラッサとは比べ物にならない感染力がある非常に危険なものだった。
当初、モターバはザイールで封じ込められたと思われていたが、アメリカのシーダー・クリークという町で新規感染者が発生した。サムはウイルスの宿主を突き止めようと奔走するが、何故かビリーを初め軍の動きは鈍かった。実はモターバは30年前から陸軍が開発してきた生物兵器だったのだ。陸軍が町ごと気化爆弾で消滅させ、住民たちの命と引き換えにモターバを封じ込める強硬策を進める中で、サムはようやくウイルスの宿主がザイールから密輸されたサルであることを突き止め捕獲に成功した。サムはそのサルから血清を作ることでモバータの感染を阻止することができると訴えるが、モバータの秘密を知られたくない軍の上層部は作戦を中止しようとしなかった。果たしてサムは軍の作戦を中止させ、シーダー・クリークの住民の命を救うことができるのか。
この作品は感染症パニックものと思いきや国家陰謀ものです。90年代のアメリカ映画の文法に忠実な作りで、安心して観れるエンターテイメント作品に仕上がっています。HIVウイルス(AIDSの原因)は米軍がアフリカで実験していたものが誤って漏洩したという話が一部で流れたことがありましたが(いまでも「HIV 米軍」で検索すると多くのサイトがヒットします)、それに着想を得ているのかも知れません。
2020年現在、ちまたではCOVID-19(新型コロナ)で大騒ぎですが、ウイルスの危険レベルはあまり高くないのではないと思います。作中にも登場するエボラ等、実は治療法がいまだにないウイルス感染症は数多くあります。そういった意味では、まだ現代人はアウトブレイクの本当の恐怖を知らず、医学万能を信じれるほど平和で安全な社会に暮らしているのだと思います。
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