2014年 イギリス・アメリカ
キングスマンは政府に属さない私設諜報機関。その母体は服飾業者だ。
エグジーの父親はキングスマンのエージェントだったが、彼が幼い頃に作戦中死亡した。
17年後、エグジーの母親は街のチンピラと付き合うまでに身を落としていた。ある日エグジーは車を盗んで逮捕されるが、キングスマンの計らいですぐに釈放された。そこで待っていたのはベテランエージェントのハリーだった。ハリーはエグジーの父親の元同僚で、彼を更生させるためにキングスマンの新人エージェントの試験を受けさせた。
最初は乗り気でなかったエグジーだったが、厳しい試練を乗り越えるうちにエージェントになりたいと強く思うようになった。しかし最終試験で自分の愛犬を銃殺せよというミッションを果たすことができず、エグジーは失格してしまった。
一方世間では、環境保護活動家として知られていた大富豪のバレンタインがフリーのSIMを無料で配布すると喧伝し話題をさらっていた。人々は殺到し、たちまち世界中に10億枚のフリーSIMが拡散した。その影でバレンタインは世界中のVIPと接触し、自分のビジョンに賛同する者には首筋にチップを埋め込み、賛同しない者は監禁していった。
バレンタインのビジョンとは?それは環境を保護するために人口を減らすという狂気に満ちたものだった。フリーSIMはそのための道具で、そこから特殊な低周波を発信すると、人々は攻撃本能を抑制できなくなり殺し合いを始めるのだ。そしてその殺戮から保護することを条件に、世界中のVIPをその計画に賛同させていたのだ。
バレンタインはフリーSIMの実証実験をとある教会で実行した。事前の情報で現場に潜入していたハリーはバレンタインに銃殺されてしまった。
バレンタインの作戦実行まで後6時間しかなかった。ハリーを失ったキングスマンは、エグジー、彼と一緒に受験したロキシーそして2人の試験官だったマーリンの3人でその阻止に乗り出すのだった。
しかし所詮は多勢に無勢。エグジー達はたちまち敵に囲まれてしまった。絶体絶命の中、活路を見出すことはできるのか。
キングスマンの第1作です。
英国紳士の装いでキレッキレのアクションを繰り出すギャップがカッコよかったです。ハイテク装備は007っぽいですが、さらに非科学的です。
主人公は一応エグジーですが、ハリーの渋さが光っています。特にバーで街のチンピラに因縁をつけられたとき「礼節が人を作る」と言いながら、店のドアを施錠し、全員をたちまちノシてしまうシーンが見もので「英国紳士」ってこうなんだと誤解してしまうこと請け合いです(しないか)。
アクションものゆえ非現実的なシーンが多いですが、脚本が丁寧に作り込まれているので、全体として破綻せずきちんとまとまっています。
それにしてもイギリスという国は諜報機関ものが好きですね。映画・テレビとも多くの作品が発表されています。その中でも印象的だったのはMI−5(AmazonPrimeで観れます。2020.2時点)。主人公が次々と不幸に見舞われ、死んだり行方不明になったりと、現実的若しくは現実より悲惨で、これを観たイギリスの若者は誰もMI-5を志望しないのではと、いらぬ心配をしてしまいました(実際求人広告出しているから困ってるんでしょうね。)。