2002年 日本
ニューヨーク。レスリーは行きずりの男と一夜をともに、気まぐれな生活を送っていた。
ある晩のパーティーで言葉を交わした女性のバッグの中に入っていた1枚の家族写真が彼女の心にさざなみを立てた。
通りかかった道端で、顔見知りのルカとマルコが車を修理していた。聞くと、仕事をもらうためにペンシルバニアのルカの叔父のところに出発するのだという。それを聞いたレスリーは、一緒に街を出るといって2人の車に強引に乗り込んだ。2人は突然の申し出に困惑しながらも、言われるがままレスリーを乗せてペンシルバニアへと向かった。
長い道のりの末、ルカの叔父のところへ到着したが、働き口は1人分しかないと言われてしまった。落胆するマルコとともにレスリーはニューヨークへと車を走らせた。
レスリーに運転を任せマルコが寝ている間に、車は見知らぬ農場に到着していた。そこはバージニアにあるレスリーの実家だった。レスリーは、先日のパーティーのときに見た家族写真と同じ写真が実家にあったことを思い出し、それを確かめにきたのだった。そして母親を問い詰め、自分には姉がいることを初めて知った。あの日パーティーで言葉を交わしたのは自分の姉だったのだ。憤慨したレスリーは実家を発った。
ニューヨークに戻りレスリーは姉を探し回るが、手がかりらしい手がかりもないのに見つかるはずもなかった。
夜になりマルコの部屋を訪ねたレスリーは、いつものようになんとなく彼とも一夜を共にするのだった。
コロナで苦しむミニシアター支援のクラウドファンディングの特典の作品群からチョイスして鑑賞した作品です。
モノクロ、アンニュイ、ムーディー、若者、自由、旅。初期のジム・ジャームッシュからインスピレーションを受けているように感じました。日々の生活にときどき訪れる胸騒ぎの予感。しかし、多感な若者はすぐに目の前の新たな刺激に心奪われる……あえて解説すればそんな感じでしょうか。初期のジム・ジャームッシュ作品がそうであったように、語るのではなく感じる映画といったところです。
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