2003年 アメリカ
バイクレーサーのバド・クレイは、レースを終えて、次の開催地ロス・アンジェルスに向かって独り車を走らせた。
途中、妻のデイジーの実家を訪れるが、彼女の母親もデイジーとはずっと音信不通だった。
バドは、ひたすら車を走らせ、その途中で出会った数人の金髪の女性と濃厚なキスを交わすが、キスをし終わると、そのまま立ち去ってしまうという不可解な行動を繰り返した。
何日かの旅を経て、ロス・アンジェルスの街に入ると廃屋のような民家を訪れ、デイジーの名を叫びながらドアを叩き続けた。その様子を見ていた隣人が空き家だと教えてくれるが、バドはドアにデイジーに宛てたメモを残した。
ホテルに戻ったバドは、フロントにデイジーという名の女性が尋ねてきたら部屋に通してほしいと頼んだ。そして、バスルームで顔を洗って部屋に戻るとそこにはデイジーがいた。デイジーはそれまでバドがキスをしてきた女性と同じ金髪だった。
バドはデイジーから、赦して欲しい、そして昔のようにキスをして欲しいと懇願された。始めは頑なに拒んでいたバドですが、やがてデイジーを受け入れた。
情事を終えた後、再びバドはデイジーの不貞を咎めた。そのときデイジーの口からは衝撃の告白が……。
ジャンルとしてはロードムービーと言いたいところですが、少し躊躇われます。道中、ほぼ何も起こらないからです。景色が移り変わりゆく中でも、バドがずっと一つのこと~デイジーのこと~に囚われている、そういった内外の対比を描く手段として車での長旅が取り入れられているように感じました。
ほぼ平板なストーリーが続き、最後になって驚きの展開になるのですが、さらに衝撃的なのが生々しい性的描写シーンです。正直、日本の規制でボカシが入っていた良かったと思いました。原作では当然ボカシなしだったようで、さらにそれがカンヌで流れて物議を醸した作品だったようです。さすがに「オレがやれば、何でもサマになる」とギャロが思っていたとしても、それは自惚れすぎだと誰か止めてあげればよかったのに。おまけにサントラのジャケットまでそのシーンを使っているし。
デイジー役のクロエ・セヴィニーも
「これまで何度もセックスシーンの撮影は経験したけれど、もうたくさんよ。自分の意志、自由をもっと大事にしていかなければと思っているの。これが原因で、いつかセラピーのもとに通うこともあるかも知れないわね。」
TechInsight
と語っています(【イタすぎるセレブ達】原因はセックスシーン。トラウマに苦しめられたあの女優。)。
ストーリーとしては最愛の妻を失った男の癒ることがない心の傷を描いた切ない話なのですが、いかんせんラストシーンが勝ちすぎて全部吹っ飛んでしまう残念作です。
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