2019年 アメリカ
「僕のワンダフルライフ」の続編。あらかじめ前作を鑑賞することをお勧めします(でないと、全く伝わらない。)。
仲睦まじく老後を送るイーサンとハンナの元でベイリーは幸せな生活を送っていた。ハンナの娘のグロリアと彼女の長女のCJも一緒に住んでいた。グロリアは、CJを身篭っているときに夫を交通事故で失ってしまったため、一時的に身を寄せていたのだ。まだ若いグロリアは歌手になりたいという夢を諦めることができなかった。そんな彼女にとってCJは足手まといだった。ハンナにそんな自分本位な考え方を咎められ、CJを連れて出ていってしまった。
やがてベイリーは寿命を迎えた。イーサンから「CJを守ってやってくれ」と託されつつ息を引き取った。
ベイリーは、モリーと名付けられた保護犬として生まれ変わった。ある日保護施設に中国人の少年トレントが犬を譲り受けにやってきた。モリーは彼の付き添いできていた少女がCJだと気づき、猛烈なアピールでCJに飼ってもらうことに成功した。小学生のCJは賢く頭も良かったが、自由奔放な生活を送るグロリアに放置され孤独だった。同級生のトレントとは親友だったが、成長するにつれて疎遠になった。やがて軽率にもタチの悪い男と付き合い始めたCJは、それが原因で事故を起こしてしまい、モリーは死んでしまった。
ベイリーは、ガソリンスタンドの店主に飼われる大型犬として生まれ変わった。奇遇にも旅の途中のCJがそのガソリンスタンドに立ち寄るが、モリー(ベイリー)だと気づかれるはずもなく、かなわぬCJとの再会を夢見たまま、寿命を迎えた。
そして次は、マックスと名付けられた小型の保護犬として生まれ変わった。公園で催されていた譲渡会の会場を通りかかったCJを見つけたマックス(ベイリー)は、またまた猛烈にアピールしCJに引き取ってもらうことに成功した。CJはバリーという男と同棲していたが幸せではなかった。歌手を目指していたが、自信がなく人前で歌うことができなかった。ある日マックスはCJの幼なじみのトレントを街角で発見した。マックスは、お互いに惹かれあっているのに勘付き、2人が同居できるよう一計を案じた。
弁護士として成功していたトレントに悪夢が訪れた。癌に侵されていたのだ。闘病生活は長かったが、CJの献身的な看病によりトレントは癌を克服した。次はCJが頑張る番だった。ついにライブハウスで歌を披露したのだ。
やがて2人は結婚した。トレントは弁護士として、CJは歌手として成功を収めた。
時が過ぎ、ついにイーサンが天寿を全うした。そしてそれを追うようにマックス(ベイリー)も息を引き取った。天国で元の姿に戻ったベイリーが草原を走り続けると、その先には大好きなイーサンが腕を広げて待っていた。長い旅を経て、ようやく最愛の飼い主の元へ戻った。
前作に続き、誰でも肩肘張らずに鑑賞できるうえに感動すること請け合いの作品に仕上がっています。ベイリーにとってはイーサンこそが無二の主人ですが、今作ではそのイーサンの言いつけで彼の義理の孫娘のCJの見守り役として活躍します。CJは才女でしたが、父を事故で亡くした上に自分本意な母親に翻弄され、人生の歯車が狂ってしまいました。そんなCJをベイリー(モリーだったりマックスだったりする)が、機知を働かせて支え続けて幸せに導いていきます。犬が本当に飼い主のためにそこまで献身的に生きているわけがないと冷めた目で見る人もいるかもしれません。しかし一緒に暮せばわかりますが、犬という生き物は本当に飼い主に忠実で、自分の人生(犬生?)を飼い主に委ねているといっても過言ではありません。ですから私などは、この作品に一抹のリアリティを感じてしまいます。
さて、この作品、ベイリーが何度も転生しますが、その回数おそらく7回。イーサンの1回の生涯に7回も生まれたり死んだりとは、犬の寿命はつくづく短く儚いものだと思いました。
ラストもよかったです。前作製作時に続編の構想があったかは分かりませんが、うまくまとめ上げたと思います。