1980 アメリカ
アロイシャス・パーカー通称アリー。
マンハッタンの裏通りを放浪する日々。
アリーには恋人がいるが、自分の部屋に戻ることは殆どない。
アリーは自分のことを”同じ場所で同じ人々とずっと過ごすことができない、いつも新たな地へ旅立つことを求める人間”だと定義する。
街で出会う人々との断片的な交わりの繰り返し。
ある日、アリーは車を盗み大金を手にする。
そしてその金でマンハッタンから旅立つ。
アリーの旅は続く。その旅は終わることのないバケーションなのだ。
出港する船。遠ざかるマンハッタンの街並み。
ジム・ジャームッシュ監督の長編デビュー作です。スタイリッシュな映像と音楽、現代詩のような科白で綴られます。
「皆の目に否定的に映るものにこそ隠された意味がある」という若々しい感性が織りなす作品です。デカダンス的とも言えるでしょうか。
多くの人は「意味が分からない」と言い、そうでない人も「多分分かっていると思うんだけど確信が持てない」と言いますが、多分ジム・ジャームッシュも観る側に迎合する気が全く無かったと思われる作品なので、それが正直な感想でしょう。私見ですが、理解ではなく、感性が共鳴するかどうかで決まる作品なので、下の予告動画で共鳴しない人には、ただただ退屈だと思います。
主人公のアロイシャスを演じるクリス・パーカーのイケメンぶりがこの映画のアイコンです。IMDbで調べる限りでは、かなり前に表舞台からは消えているようですが、今は何をしているのでしょうか。
ジム・ジャームッシュ映画のエッセンスの原型が見られる作品という意味でおすすめです。 ただ、ハイセンスな自分を演出したいがために恋人と一緒に観ると微妙な空気になるのでおすすめしません。
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